西川口、チャイナタウン通り越し本物の中国化…定員も客も中国人のみの超レア料理店が密集 | ビジネスジャーナル

 日本にあるチャイナタウンといえば、横浜中華街、神戸南京町などが有名だ。横浜中華街の成り立ちは1859年、横浜港の開港時にさかのぼる。神戸南京町も、68年に神戸港が開港した際の外国人用居留地が始まりとされる。

 ところが、現代の日本、それも首都圏で、ここ10年ほどのうちにチャイナタウンへと変貌した街がある。埼玉県川口市北西部に位置するJR西川口駅周辺、通称「西川口」だ。最近、話題を集めているのでご存じの人も多いだろう。

 しかし、西川口といえば、かつては“オトコの歓楽街”として全国に名を馳せた地域だったはず。その西川口が、なぜチャイナタウン化したのか。変貌ぶりをこの目で確かめるために、実際に西川口を訪れてきた。

“NK流”違法風俗店が一掃されゴーストタウン化

 最初に、西川口についておさらいしておこう。

 1990年代から2000年代前半まで、西川口にはソープランド、ピンクサロン、エステなどの店舗型風俗が200店以上あったといわれる。しかも、ソープランド以外の店舗の大半も、いわゆる“本番行為”ありの違法風俗店。風俗ユーザーの好事家から“NK(西川口)流”などと呼ばれ、東京・吉原と共に人気を集めていた。

 このNK流が衰退し始めたのは、04年頃。東京都の石原慎太郎知事(当時)の号令で警視庁が新宿歌舞伎町で行った浄化作戦の影響が、西川口にまで飛び火したのである。

 さらに、06年5月に施行された改正風営法が決定打となり、翌年にはほとんどの違法風俗店が西川口から姿を消した。それにともない、周辺の飲食店も激減し、西川口駅近くのビルは空き店舗だらけのゴーストタウンとなってしまう。

 それ以来、話題にのぼることは少なくなり、多くの人にとって西川口は「かつて違法風俗店がたくさんあった街」という認識だった。しかし、それから10年ほどの間に、チャイナタウン化が着々と進行していたようだ。

観光地とは一線を画す、本格的すぎる中華料理店

 かつて違法風俗店が密集していたのは、西川口駅の西口近辺だ。付近を探索すると、まず目に飛び込んできたのが数多くの中華料理店である。

 とりわけ目立っていたのが、店名のネオンサインがレインボー色に発色している「鴻運樓(コウウンロウ)」という店。香港の繁華街で見かけるようなド派手な外観は日本では珍しく、まさにチャイナタウンならではだ。 さっそく店に入ってみると、店員はもちろんのこと、食事をしている客も中国人オンリー。店内で飛び交う言葉は中国語のみだ。家族連れの中国人客もいたため、店内を子どもが走り回っている。

 料理は、四川料理、東北料理、福建料理、上海料理と、どの地域の出身者にも対応する300品以上の本場中華料理。また、「鯉の姿蒸し」(時価)、「ウシガエルの四川風煮込み」(1680円)、「カイコ串」(150円)などの斬新なメニューも目を引く。

 これらは、日本人向けの中華料理店では目にすることのない料理だ。実際、試しに「豚肉の四川風煮込み」(980円)を注文して食べてみると、唐辛子がたっぷりきいた激辛味で、日本人客をまったく考慮していないことがうかがえる。 ほかにも、この近辺には、見たことのないメニューの郷土料理を提供する“中国東北料理店”など、観光地化した横浜中華街では味わえない中国人向けの店が20以上も密集している。 おもしろいのは、ウイグル料理店まであることだ。中国本土では、中国共産党政権が新疆ウイグル自治区を弾圧し、なんの罪もないウイグル族の人たちを強制収容施設に収監している。ところが、ここ西川口では、中国大陸各地の味を提供する店とウイグル料理店が仲良く軒を連ねているのである。

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